ラジカル塗料の特徴・耐久性・単価(相場)は?
2018/11/28
ラジカル塗料の性能:高耐候性なものが多い
ラジカル塗料といっても、使われている樹脂は様々ですが、どの様な樹脂を選んだとしても、色々な気象条件に丈夫な高耐候性な物が多く、汚れを流れ落ちやすくする低汚染性を持っている商品が一般的です。
現在では外壁だけでなく、屋根用のラジカル塗料も製品化されていますので、一般的なサイディングや鉄部の塗り替え、コンクリート、モルタル、リシン、スレート屋根など、様々な箇所に使う事ができます。
他にも高光沢や付着性をよくしていたり、臭いの少ない水性のラジカル塗料を発売したり、弱溶剤のタイプや2液型が発売されたりと、力を入れてきている分野の塗料といえます。
今までにもラジカル対策の為に、光安定剤を入れた塗料などが発売されていましたが、高額な事といまいちわかりずらかった為かブレイクとまでは行きませんでした。
最近発売しているラジカル塗料の分野は、後発商品なので高性能な物が多く、各メーカー共に高性能な商品を続々とラインナップしている状態です。
屋外や準外部のような所で使用される塗料には、紫外線や、水などの劣化要因は必ず出てくるので、今まで有った商品もラジカル対策品と銘打ってバージョンアップして来るかもしれません。
ラジカル塗料の耐久性:14~16年程度
今までの塗料は、樹脂によって耐久性が大きく分かれていましたが、ラジカル制御することによって、各樹脂の耐久性の底上げができる様になった為、ラジカル制御型の塗料を選べばシリコン樹脂塗料と同等、又はそれ以上の耐久性を維持する事が出来る様になりました。
劣化因子を抑えることで、耐久性と耐候性の両面を向上できることでアクリル樹脂がメインのラジカル塗料でも、シリコン樹脂塗料の性能になった訳です。
一般的な弱溶剤型の2液シリコンで塗り替えサイクル12年~15年の期待対応年数だった物がメーカーのカタログでも塗り替えサイクル14年~16年へと表記があり、とても長耐久になってきています。
科学の力で、樹脂がより性能を発揮できるようにしてあげている良い塗料です。
ラジカル塗料の平米単価:2000~3000円
使用している樹脂によっては安価な水性の塗料から高いものまで様々有るのですが、メーカーの定価が記載してある積算価格では300平米以上、塗料のみで平米単価2,000円~3,000円を切る物が多いようです。
樹脂自体がアクリル樹脂またはシリコン樹脂で今の所作られているので、この価格帯になっている様です。
同じ系統の樹脂で平米単価が安いのに耐久性が上がっている逆転現象が起きている事もあり、発売して月日が経っていないので、特に注意しましょう。
ラジカル塗料のコスパ:なかなか良し
今までシリコン樹脂塗料が塗り替え塗装のメインで使われる事が多かったのですが、今年以降はこのラジカル制御型の塗料がブレイクして来ると予想できます。
メンテナンスサイクルコストを考えた場合は、フッ素樹脂塗料や無機系の塗料といった、とても塗り替え期間が長い高額な商品には劣りますが、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、シリコン樹脂塗料、これらの塗料よりはコストパフォーマンスは確実に優れています。
ラジカル対応の塗料は今まで発売していた塗料とそれ程単価的には変わらないので、より良いものを選ぶのならば対応している塗料を選んだ方がお得になります。
他の塗料との違い
ここ最近出始めたラジカル塗料と言われる商品は、詳しくはラジカルと言う樹脂では無く、樹脂同士の結合を壊してしまう原因になっている物質がラジカルと言われている物であり、それを抑制する事に重点を置いた塗料がラジカル塗料と言われております。
このラジカルが発生して樹脂同士がくっ付いていた物がブチブチと切れ始めるとチョーキングと言う現象が起きてきます。
こういった樹脂の痛みの原因を抑制することができる様になった事と、やはり使いやすい価格帯のラインナップが揃ってきた事で一気に周知されて来たのです。
ただ新しい塗料なので、塗装してから10年とか経過した建物が無く、実際はどうなの、と聞かれる事が有る商品です。
実績が無いものに手をつけにくい塗装屋さんもいますし、カタログスペックでは少し心配と思われるかもしれません。
しかしメーカーがこれは今までの塗料より良い商品ですと力を入れてアピールしているので、良い物を使いたいと思われている方は、それに便乗しても良いかもしれません。